胡蝶 TY-42F
カットはカットする人によって仕上がりが変わりますね。
更に有名店でカットしても上手な人とそうでない人がいますね。
研ぎも同じです。
上手なひと、そうでないひと、普通の人、、、個性はそれぞれありますね。
胡蝶 TY-42Fを研ぎました
ハサミDATA
- 刃
- 櫛刃は42目
溝はVです。
シンプルです。
棒刃はシンプルなはまぐり刃、直刃です。 - ネジ
- 出っ張りタイプのカチカチするタイプのネジです。
このタイプはアソビが大きくなりがちなのでキツめがいいです。 - ハンドル
- オフセット
ハンドルは長めです。
トリマーさんのハサミですが、長めのセニングが多いですね。
はさみ職人's EYE
買ったところに出したら、
いまいちだったそうです。
前に
オオタに研いでもらったら良かったから。
という理由でのご依頼です。
期待されていますね!
どんなハサミか楽しみです。
研ぎ終わりました。
切れなかった原因は、「切れないようにしすぎ」でした。
???
とお思いですね。
解説しますね!
セニングの場合、
わざと切れないようにするんです!
一度きちんと研いで、
そのあと
わざと
切れないようにします!
わざと切れないようにするのを
「刃を殺す」と言います。
↑とてもコワい表現ですね。
セニングの場合、わざと刃を殺します。
そうしないと、
刃を閉じたとき、
櫛刃と棒刃がケンカをするように
かんでしまい、
閉じなくなってしまうからです
でっ!
とは言っても、
「刃を殺したのなら、切れなくなっちゃうじゃないか!」
というツッコミがあると思います。
たしかに、
切れなくなります。
ですが!!!
ほんの、少し、だけ、、、切れないようにします。
ほんの少しだけというのがポイントです。
大きさで言ったら、
シャープペンシルの芯の1/10くらいかなあ。(オオタのつぶやき)
音で言ったら、
蚊の音くらい。
味で言ったら、
カレーの王子さまの辛さくらいです。
まあ、
とても微妙な世界です。
ですが、
今回のセニングは、
大胆に、刃を殺している跡がありました。
大きさで言ったら、
シャープペンシルの芯の3倍くらいです。
カレーで言ったら、
ジャワカレーの辛口に七味をふりかけたくらいです(笑)
髪質でいったら、トレッドヘアーくらいでしょうか。
大胆でした。
実はこういったケース。
つまり「セニングの刃を殺しすぎ」というのは意外と多いです。
感覚の世界なので、教わるのが難しいからかもしれません。
センスのいい人は問題ないんですが、
そうでないと全くと言っていいほどダメです。
ひとつフォローです。
今回のハサミはメーカーに戻したとのことですが、
ディーラーさん経由の場合きちんとメーカーに戻らないこともあります。
自分のお抱えの研ぎやさんに出すこともあります。
その場合は仕方ないですね。
また、
メーカーさんでも、
たまたま、入社間もない時給880円のパートさんが研いだということかもしれません。
またまた、
今回研ぎの依頼をされた方の
感性が高くて気になったけど、
普通のひとなら、それほど気にならないレベルだったかもしれない、ということもありますね。
本日のまとめ
セニングの刃は、殺されていた!
あ、、、こわこわ、、、。
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