金属のヒットポイントについて

ヒットポイント

前回ヒットポイントについて書いてみました。

素材は軟らかいものだと、切った感じも軟らかい雰囲気がでます。

素材が硬いものだと、きっちりとした感じで切れます。

更に硬い、金属のステンレスのヒットポイントは、もっときっちりと切れる感じがあります。

そして、カチカリと音がなります。

金属のヒットポイントを「音出し」のヒットポイントと呼ぶこともあります。

開閉するたびにカチカチなるので、リズムが出るので好きという方もいます。

素敵なハーモーニーをお店全体に響かせるというのもいいですね。

夏なら和太鼓ってところですかね。

日本人なら盆踊り!!

和太鼓

 

さて、

(真面目くさった話が苦手だということで、

無理に小さな女の子の写真を差し込んだって話は置いておいて)(笑)

さてさて

音出しのデメリットは、

開閉の衝撃が吸収されず、

ネジで衝撃をうけるため、

ネジのアソビが大きくなりがちです。

平たく言えば

ネジ穴がひと回り大きくなります。

そのためハサミを閉じたとき、

刃先だけ閉じ切らなかったり、逆に刃の重なりが深すぎて逆側に出てしまって手をきったりしやすいことになります。

アソビが大きくなってしまうのは、

何日か使うと、、というわけでなく、年単位で見たときです。

5年くらいたって、

なんとなく調子が悪いかも・・・くらいなので、気にならないひとは気にならないかもしれません。

そのタイミングで買い換えるという方もいらっしゃるでしょう。

もし、

「どちらでもいいの」ということであれば、

音出しは避けたほうが無難です。

ヒットポイント・ヒットゴム

ヒットポイント

この丸をつけたところのことです。

指穴同士があたるところです。

ヒットポイント、ヒットゴムといいます。

昔は「接点」と呼ばれたそうですが、、、、

私は聞いたことがありません。(笑)

 

今のハサミはゴムがついていますが、

(プラスチックの場合や金属の場合もありますが)

昔のハサミはついていませんでした。

どんなカチカチしていました。

(昭和のハサミはカチカチ率が高いと思います)

 

ヒットゴムの素材は、いろいろあります。

硬いプラスチックみたいなゴム

柔らかいもの

金属などです。

 

また、

その形では、

ネジ式だったり、

圧入式だったり、

太かったり、細かったり

大きかったり、小さかったり、、、

いろいろです。

 

ヒットポイントが柔らかいと切った感じも柔らかいです。

逆に

硬いと硬く切れます。

 

 

理美容のハサミで、いい造り、悪い造りとは?④

福山結婚

福山雅治ファンのみなさま。

ご結婚おめでとうございます。

と同時に、極々わずかな可能性がなくなってしまったということで、(笑)

胸に五寸釘を刺された、、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

お悔やみ申し上げますm(__)m

(千原ジュニアさんもおめでとうございます!!)

 

良い裏スキ悪い裏スキ例

さてさて、

良い作りと悪い作りですが、

今回の悪い例は、意外とわかりやすいパターンです。

 

この図のようなハサミの場合です。

赤の矢印が左によれているところがあります。

ここから先が切れません。

力がスムーズに伝えられないからです。

 

このようなハサミは、実は一般的に売られていません。

しかし、使っている方がいます。

そのハサミの持ち主の大半は、

それは研ぎに出したタイミングで、「???という感じで戻ってきた」といいます。

それも

「こんなハサミはダメだ!

オレは腕がいいという研師だから、任せなさい!」みたいことを言うハサミ屋さんに依頼すると

このようになってしまうようです。

 

自信を持って仕事をすることは素晴らしいことです。

しかし、

自分の能力を過信してしまうと、

変な方向に行ってしまうのではないでしょうか。

 

昔、おじいちゃんに教わった

「人の振り見て我が振り直せ」という言葉を思い出します(^^)

 

 

 

理美容のハサミで、いい造り、悪い造りとは?③

良い裏スキ機械での裏スキ

こんにちは

芸人さんの「ホームレス中学生」がお腹がすいた時は、水が一番と言っていました。

なるほど・・・と見ていましたが、、

最近、お腹がすいた時、水道水を飲んでいます。

なるほど・・・・です。

一時間くらいは大丈夫です(笑)

 

さて、

今回のあまりよくない例として、

刃元から刃先の途中までよかった、、、けど、、、

最後の最後に曲がってしまった例です。

これも前回同様、刃先がきれないです。

ただ、少し研ぎ込んで行くと切れなくなる事が多いです。

 

理美容のハサミで、いい造り、悪い造りとは?②

裏スキの例

前回上の図を使って良い例を紹介しました。

ほとんどのハサミは良いハサミです。

が、

よーーーーーく、見て、

細かすぎるくらいに見ると、

実は、

「あともう少し」のものが意外と多いです。

 

悪い例となっているハサミは、どんな感じなのか説明します。

かなりマニアックなので、使う方にはどうでもいいことかもしれません(笑)

 

さて、

良い裏スキもう少しな裏スキ1

あえて並べました。

その違いは、赤の線がカーブしているか、直線かの違いです。

まっすぐの直線の場合、刃先が切れなくなるのが早いです。

ヒネリが弱いからです。

開閉のスムーズさを重視して、ソリを弱くすると刃先が切れなくなります。

この手のハサミを使っている方は、

「おしグセ」がつきやすいです。

親指をこねるように、押し出して切らないと切れないからです。

 

 

理美容のハサミで、いい造り、悪い造りとは?①

裏スキの例

こんにちは

先日、

森高千里さんが、、

たぶん、いい歳だと思いますが、

「わたしが、オバサンになっても」をTV歌っていました。

 

とてもキレイでした。

たぶん、オバサンの年齢だと思いますが、

オバサンにならない人もいるんでしょうか?

 

さて、

前回、ひぞこの話でした。

 

ひぞこは、裏スキとも呼んで、

ハサミの造りの大きな要素のひとつです。

ハサミの造りがよいハサミは、裏スキも良いハサミです。

 

では、裏スキが良いか悪いか?という話になりますが、

冒頭の絵にしめしているように、ひねりが加わって、峰側に流れるようなものが良いです。

 

裏スキの例

実際にハサミを見ると、ほとんどが良い例です。

ただ、よーく、光の反射を利用して、見ると悪い例のものがあります。

すごい厳しい目で見ると、

「それ、厳しすぎるんじゃないか!」というくらい厳しく見ると、

?なハサミが多いです。

 

実際研ぎたての場合はあまり変わらないと思います。

もちろん、違いがわかるスゴイ繊細な方もいるとは思いますが、、

 

少し使いつづけると、

刃先に力がないとか、

開閉がしにくいとか、

刃先5mmが切れないとか、

そんな症状になります。

 

それって大した違いではないから、いいんじゃないか?

と思うほどです。

私も始めの頃はそんな風に思っていました。

が、

日本の理容師さん、美容師さんは厳しいです!

わずかな違いも許されません!

 

実際、良い作りのハサミは何年も使えるし、また同じものといった感じでリピート性が高いです。

逆の場合、

「このはさみ、始め良かったけど、最近は全然ダメ。。

この○○メーカーって、そうだったの?」

という話をよく聞きます。

 

ってことで、

裏スキの例

ぱっと見た感じは良くても、よーくみると微妙に良い悪いがあって、

使い込むとはっきりと違いが出てきますよっ!って話でした。

ハサミのひぞことは、

ハサミのヒゾコとは、赤いところです。

最近は、

「裏スキ」と呼ぶことが多いです。

 

裏(側の刃)をす(くように削りだし)て、

つくります。

 

このコゾコがキレイだと、、、いいハサミです。

造りが良いハサミです。

 

ハサミの良し悪しは、

鋼材・造り・刃付けのバランスで決まります。

 

つまり、

ひぞこが良いハサミは、造りが良いハサミですし、ハサミとしても良いハサミです!

 

良いハサミは、

よく切れます。

力強く切れます。

刃先までしっかり切れます。

優しく切れます。

永切れします。

開閉がスムーズです。

何度研いでも、よく切れるようになります。

研ぐ人が下手くそでも、よく切れるようになる可能性は高いです(笑)

 

 

代理店募集・独立開業者募集

当店では販売代理店を募集しています。

シンプルで正直なハサミを販売してくださる方を募集します。

下記必要事項をご記入いただき、メールでメッセージを下さい。

※内容次第でこちらから辞退させていただくこともございます。ご承知いただいた上でお問合せください。

1.お名前

2.ふりがな

3.会社名

4.ふりがな

5.事業内容

6.URL

7.電話番号

8.ご住所

9.お問い合わせ内容

 

切れ味(こつこつ)

コツコツ切れる

コツコツと切れる、切れ味がとは、、、

写真は、

こつ、、、

こつこつ・・・

ってことでとんこつラーメンです。

なんで?純粋のとんこつラーメンではなくて、醤油とんこつなんだ!という話は置いておいて、切れ味の話をすすめます(笑)

 

こつこつ切れるというのは、

毛を一本ずつしっかりと切っていくイメージです。

 

これは厚切りした時は、そのような感覚は感じなくて、

比較的薄くとって、繊細に切っていくイメージです。

 

刃付けとしては、

比較的鋭く、毛が逃げないような感じですね。

 

この記事を読んでくださったアナタ!

一週間以内にラーメンが食べているでしょうね(笑)

(ハマ系)ハマグリ刃って何?

ハマ系(ハマグリ刃・段刃・剣刃)

カマ系(カマ刃・直刃・柳刃・笹刃)

 

ハマグリ刃

金太郎あめを切るように、

はまぐり刃を切るとこのような断面図になります。

オレンジのわずかなRがふっくらしているのが特徴です。

ハサミでハマグリ刃とは、

ハマグリみたいな形の刃です。

あさりにも似ているいますし、しじみにも似ていますね。(笑)

 

いいとか、あまりよくないとか、

よく切れるとか、そうでもないとか、、

いろいろとあるかもしれませんが、

基本的に刃の形状(ハマ系)で、切れ味が変わることはないと考えています。

刃付け次第でかなり変わるからです。

同じハマグリ刃のハサミで、

鋭い刃付けをすることもできます。

また、鋭くない鈍い刃付けをすることもできます。

 

刃の形状と一口に言っても、2種類あって紛らわしいです。2グループあります。

1.ハマ系(ハマグリ刃・段刃・剣刃)

2.カマ系(カマ刃・直刃・柳刃・笹刃)

 

 

 

 

 

切れ味(ザクザク)

ザクザク切れる

金銀財宝がざっくざくぅ~のザクザクですが、

ザクザク切れるというのは、

ある程度力が必要だけど、

その力に見合った感じで力強く切れるという雰囲気です。

毛をしっかりつかんで、

逃がすこと無く、切り進むといった感じでしょうか。

昔の

「ステンレス」と書かれているハサミにこういった切れ味のものが多いです。

どちらかというと、

柔らかい鋼のハサミがこんな切れ味になりやすいです。

こういった切れ味が好きな方も多いかと思います。

が、切れなくなるのは早い場合もあります。

ハサミのハンドルとは

ハンドル

 

手で持つところ、指穴があるところ。

一般的には、柄と呼ばれます。

あしと呼ぶ人がいますが、マニアックなひと、または製造するひとです(笑)

ハンドルの種類(メガネ・オフセット)

ハンドル写真の上がメガネ、指穴がそろっています。
使っている人は美容師さんに多いです。
指穴が比較的大きいせいか安定して持つことが出来にくいですが、反面持つときの自由度が大きく、いろんな持ち方ができるのでいろいろなカットがしやすいと言われています。

下はオフセット、指穴がずれていて親指の穴の位置が前のほうにあります。
使っている人は、美容師さん、理容師さん、トリマーさんです。
人間工学的に持ちやすい並びです。そのため持ったときに安定させやすいです。

どちらがいいということは、ありません。
好みです。

鋼材の話(サビ)

ハサミのサビ

「ハサミは錆びたら、使えません」

 

当たり前ですが、ハサミの刃が錆びると、切れなくなります。

普通に使っている範囲であれば、ほとんど錆びることはありません。

 

しかし、

錆びることがあります。

 

それは、

1.歯ブラシ建てに、歯ブラシと一緒に置く

実際にあった話ですが、洗面所の歯ブラシと一緒に置いて置いたそうです。

(正直、なぜだか?意味がわかりませんが、、、)

確実にサビます。

 

2.海から近い

塩害です。

自転車などはサビてぼろぼろになりますね。

ハサミもステンレスと言えど、潮風には弱いです。

室内で使っていても、それなりに影響がでてしますようです。

対策として、小まめに水分などを拭きとるとか、油をさすなどをするといいと思います。

 

3.長期間放置

もし、何かしらの理由で現場を離れ、ハサミを使わないのであれば、

汚れをとって、水分をしっかり取り除いて、

オイルまみれ!くらいにしておくと錆ないかと思います。

3ヶ月以上、放置ならオイルまみれ、オイル漬けがいいと思います。

 

4.汚い

汚いハサミはサビが出ています。

 

5.もともと錆びやすい

今のハサミは錆びにくい、ステンレス刃物です。

が、昔のハサミは基本的に錆びやすい刃物でした。

 

ちなみに

もし、サビてしまったら、研ぎに出してください。

サビたままでは使えないからです。

研ぎに出すと、サビの部分が切れるまで削られてしまいます。

しかし、サビがあれば使い物にならないので、仕方ないです。

ハサミの場合、意外とサビは深くまで入っているものです。

1

注意しましょう。

じゃあ。また!

 

鋼材の話(粘り)

粘り

こんにちは

今回は粘りの話です。

硬い鋼でも、粘りがあります。

「しなり」同じような意味です。

 

例えば、

日本刀は粘りがあるのでいいので、刃物としては優秀です。

 

粘りがあると刃こぼれが少ないです。

永切れします。

 

粘りというのは、

針金で、

手で折り曲げようとして何度も曲げると折れますが、

すぐ折れるのが粘りがなくて、

なかなか折れないのが粘りがあります。

 

消しゴムでいえば、

白の消しゴムは粘りがあって、

砂消しゴムは粘りがありません。

 

ボールで言えば、

ゴムのスーパーボールは粘りがあって、

どろ団子のボールは粘りが無いです。

 

なんとなく、わかったようなわからないような、、、感じですが、続けます(笑)

 

ハサミの場合、全体的に硬いので、粘りなんて関係ないようです。

しかし、

刃というのは、鋭くて指で触れると切れそうな感じです。

この先端に粘りがあると永切れします。

粘りがないと刃こぼれします。

 

ハサミは、開閉のたびに、動刃と静刃がケンカするような構造です。

そのため、粘りがないとすぐ切れなくなりやすいものです。

 

ばいばい

じゃ。また!

鋼材の話(HRC)

ロックウェル

こんにちは

オオタです。

どちらかというと、女性が好きです。

さて、

今回はHRCについて

ハサミの鋼ということでいくと、

硬さが切れ味を左右する要素のひとつになります。

つまり、

柔らかいと切れなく、硬いとよく切れます。

ちなみに、硬いと脆(もろ)いです。

脆いとハサミの鋼としては、すぐ切れなくなるのでNGです。

脆いというのは、あなたの心と同じで、ちょっとした衝撃などでガラスのように崩れてしまうという意味です(笑)

まあ、鋼鉄のような心のかたもいらっしゃいますが、、、。

 

ハサミの鋼というのは、

硬くて、粘りがあるといいです。

 

で、

今回のHRCですが、

硬さを表す単位です。

ロックウェル硬さとか、HRC硬度とか言います。

 

これをどうやって測るのかというと、

簡単に説明すると

ダイヤモンドの針みたいなものを刺して、その深さで測ります。

だいたい0~70くらいの間だそうです。

刃物の場合は55~68くらいかと思います。

最近の理美容のハサミは、60以上で硬いです。

昔のは60以下も多かったと思います。

なので、

ベテラン理容師さんが

「昔のハサミは研いでいたけど、最近のハサミは硬くて砥げない」

とおっしゃるわけです。

 

ダイヤモンドは100ですね。

このHRCですが、

アメリカのロックウェルさんが考えた硬さを表す単位で、工業規格になっています。

 

で、

最後にお姉さんの写真ですが、

ロック→岩→壁→壁に寄りかかるドレスの女性ってことで、

多少関係性があります(笑)

じゃ。また!

鋼材の話(モリブデンコバルト鋼)

1

今回は「モリブデンコバルト鋼」について調べてみました。

かなり独断と偏見にまみれた内容となっています(笑)

モリブデンというのは、

鉱物です。

地中に埋まっている石です。

その特徴は、熱に強い、、、

つまり、鉄だと1583℃で溶けるそうですが、

これが2623℃でやっと溶けるそうです。

この特徴を別の言い方にかえると、「熱の影響を受けにくい」という表現になります。

例えば、ハサミはピカピカ磨くときに、熱がどうしても出てしまいます。

熱に弱いとそのたびに刃が弱くなってしまいます。

が、熱に強いので弱くならないということです。

他にもいいことがありそうですが、、、、

切れ味にどの程度影響をあたえるのか?

正直、よくわからいないです。

なぜなら、ハサミの切れ味は、

鋼材と造りと刃付けのバランスによって決まるからです。

 

コバルトというのは、以前に説明しましたが、理美容の大半のハサミに入っていますね。

 

そうそう。

説明が遅れましたが、

モリブデンは体に必要な栄養素で、

枝豆にたくさん入っているようです。

なので、「枝豆とビールの写真」です(笑)

 

 

鋼の話(ハイス鋼)

ハイス鋼

写真は、美女(?を想像させる)写真です。

顔がないから、

美女かどうかはかわりませんね。

でも、

勝手に美女だと思い込んでしまう、、、、

男とは、そんな単純な生物なんだと思います。

 

さて、

ハイス鋼とは、

ハイ(high)で

スピード(speed)な

鋼(はがね)のことです。

つまり、

高速回転用の鋼です。

 

木を切るというよりは、鉄やステンレスなどの硬いものを切るための鋼です。

ホームセンターに行って、鉄工用のドリルとなると、このハイス鋼が材料ですね。

 

特徴は、

・熱に強い。

・硬い。

です。

どの程度、熱に強くて、硬いのかは、何と比べるかによりますが、昔の鋼と比べると圧倒的に強いです。

 

で、

ハサミの材料としてのハイス鋼ですが、、、

(ハサミに「ハイス鋼」と彫刻されているハサミですが)

特に特徴を感じません。

たぶん最近のハサミはみんなハイス鋼だからかも、、、と思っています。

 

 

 

鋼材の話(スウェーデン鋼)

スウェーデン鋼

スウェーデンって、国の名前です。

スウェーデン鋼がスウェーデンで作られた鋼かどうか?

ということを調べてみましたが、いまいち答えがわかりません。

意外と違うんじゃないか?なんて思っています。

(思っているだけです(笑))

 

さて、

今回はスウェーデンの話です。

日本のハサミのなかで、

スウェーデン鋼のはさみは、たくさんありません。

私の感覚では、海外メーカーのある一社だと思っています。

で、

そのハサミですが、

基本的によく切れて素晴らしいハサミだと思います。

研いで感じるのは、意外と「簡単に研げる!」です。

別の言い方をすれば、「簡単に削れる」です。

簡単に削れると、加工しやすいので思い通りになりやすいというメリットがあります。

硬い毛を切るのと、柔らかい毛を切る違いに近いかもしれませんね。

 

さて、

研ぐときは研ぎやすいですが、

簡単に削れるということは、逆に摩耗が進みやすいということでもあります。

包丁などの一本の刃物の場合、大根とか、包丁より柔らかいものを切りますね。

ハサミの場合も毛を切りますが、2枚の刃のため同時にもう一枚の刃と擦れ合うのです。

動刃と静刃が開閉のたびにふれるのです。

たくさん擦れ合うほど、すり減り切れなくなります。(←ここ重要)

だから、毛を切らずに、空はさみしているだけで切れなくなります。

 

で、

この鋼は、すり減りやすいのかなあと感じます。

 

感覚としては、

昔使った、、、砂消しゴムみたいな感じです。

細かい砂の粒がたくさんくっついたようなイメージです。

 

だからって、

使っているときにボロボロと刃がこぼれるようなことはないですよ!

切れ味(サクサク)

サクッ

こんにちは

オオタです。

切れ味がサクサクだから、柵の画像を考えました。

が、

なかったので、桜の画像です。

さわやかな春を感じさせる、きれいな桜ですね。

さて、

「サクサクという切れ味にしてほしい」というハサミの研ぎのリクエストは、多いです。

サクサクとリズミカルに心地よく切れるハサミというのはいいですね。

刃付けとしたとき、

私の目指すところも、ここです。

刃付けの好みをおまかせ頂いた時、サクサクと切れるようにしたいと考えています。

実際は、

そうなってくれるハサミもあれば、

そんな感じ、、、くらいのハサミもあります。

サクサクというのは、

よく切れるということですが、

ほんのわずかに、毛が逃げて優しくきれる感じだと考えています。

どのくらい毛が逃げるのかが、ポイントになります。

これは使う人の好みによるところが大きいですね。

 

ハサミの刃元

刃元

 

ハサミの刃元は、刃のネジよりのところです。

そんなこと説明しなくても、みんな知っていますね(^_^)

刃元の特徴として、

・刃先に比べて、力強く切れる。
・刃元に行くほど、すべりやすい。

ということがあります。

そんなことも説明するまでもなく、みんな知っていますね。(^_^)

では、

もしかしたら、

知らないかもしれない話。

私たちがはじめに使っていた、小学校のときの文房具ハサミ、、、

これって、

基本的に、あまり切れないです。

なのでダンボールを切る時など、

親指を深く入れ押し出すように切るクセがあります。

このクセのまま、

理美容のハサミと使うと、「押しグセ」になります。

押しグセが強いと、、、

ハサミに跡というか、傷というか、、ができます。

これが出来る場所が、刃元です。

 

 

切れ味(スパっと切れる)

切れ味

今回は切れ味について

かなり文字に表現しにくいテーマです。

写真は、フランス人シェフですかね、、、ちょっと怖いです。

さて、

スパっと切れるについてです。

スパっと切れるというと、大した力が必要なく、一瞬で切り落とすイメージです。

ハサミの場合、開閉がよりスムーズで、早い感じがします。

硬い切れ味というよりは、柔らかく切れる感じです。

パネルとは

パネル

出っ張りのあるネジについている、板のような金属のこと。

イタバネという呼ぶこともある。

平らな板のもの

弧の字に曲がっていてバネの役割をしているもの

があります。

また、

このパネルがあるために、ネジの開け閉めでカチカチと音がなるものとならないものがあります。

また、

このパネルのためにアソビが大きくあるものとそうでないものもあります。

また、

パネルがなくても問題ないものと緩みやすくなってしまうものがあります。

まぁ。

イロイロあるっていう、話です(^^)

ベアリングが入っているといい?!

1

正直に言います。

営業マン「ベアリングが入っていると、高く買ってもらえます。」

美容師「開閉がしやすいですね。」

研ぎ屋「それベアリングが効いてませんよ」

どれも正しいです。

1.ベアリングが入っていると高価

ベアリングが入って、高価になるハサミは多いです。

3つも入っているから、10万以上するのは当然だ!

という意見もあると思います。

なんてったって、ベアリングが入っていると、

良さそうで少年の魂がワクワクしてきますよね。

2.開閉がしやすい。

そもそもベアリングは、摩擦を減らすための部品です。

自転車の車輪の軸のところとかに入っています。

ハサミには入っているものと、入っていないものがありますね。

そして、

ベアリングがあるために開閉がしやすいです。

が、そうでないものもあります。

3.悪い感じに入っているベアリングの入ったハサミ

「しょうがない」ですかね?

多くの研ぎ屋さんが感じていると思いますが、

「ベアリングが入っていないハサミのほうがいい」です。

それは、

・ベアリングが入っていても、ほとんど効果がない。

・ベアリングが入っていても、全く効果がない。

・ベアリングが入っていて、逆に悪い。

ということがあります。

このベアリングって、

たまにサビが出ているものがあります。

扱いが悪いのか、あまり使わずに放置していたかわかりませんが、

錆びてしまうと、逆に開閉がスゴく重くなってしまうことがあります。

こうなると簡単には治らないですね。

また、ベアリングが入っているために、先端に力がないというハサミもあります。

これは造りの構造的な欠陥ですね。

せっかく、高価なハサミを買ったということで、切れるのを期待しているとは思うんですが、、、

こういうのは、研ぎの良し悪しではどうすることもできないですね。

また、

研ぎ込んでくると、急に刃先が切れなくなるパターンもありますね。

「あれ?研ぐ人が腕が落ちた?」って感じると思います。

でも、

ベアリングを取れば、普通になります。

研ぐ立場からすれば、

お客さんのハサミだし、

わかっていても部品をとるという決断はしにくいものです。

もちろん、構造的にきちんとしているメーカーもあります。

「不思議なハサミ、、、」のメーカーさんもそうですね。

刃中

刃中

黄色のところが刃中です。

刃の先が刃先で、

刃の元のほうが刃元、

で、

その間が刃中です。

あまり使われませんね。

だからこそ!

「あの~刃中が切れにくい、、、」みたいなことを

言うと、

おっ!このひとハサミを知っている人かも!

って思われて、一目置かれるんじゃないでしょうか!

ちなみに、

上手なひとって、

刃中をうまく使う人か

もしれません。

というのは、

刃先ってどうしても使わないわけには行かないので、

上手に使うのは当たり前で差がつかないので、

(もちろん、差はあるのでしょうが。)

あまり使わない、刃元とか刃中が重要になってくる気がします。

ちなみにセニングは、刃元は使わない方がいいです。

鋼材の話(ステライト)

ステライト

ステライトとは、コバルトがたくさん入った金属です。

調べて見ると、鉄砲にも使われているそうです。

ってことで、水鉄砲の写真です(笑)

もう少し詳しく調べてみると、

ステライトは、アメリカのデロロステライト社の社長が発明した金属です。

耐蝕・・・さびない
耐摩耗・・・すりへらない
耐熱・・・暑さに強い

に優れたものです。

だから、一秒間に何発も打てる機関銃に向いている金属です。

で、

このアメリカの会社の金属を、

日本の三菱系の金属会社で販売してました。

だから「三菱ステライト」と呼ばれていたそうです。

で、

業界再編か、なにか、

わかりませんが、

今は、

日立金属社で販売しています。

名前も「ビジライト」という商標です。

そんなことは、

さておき、

ハサミではどうか?です。

磁石にくっつかない!

「磁石につきません。すごいです!」

って言うハサミ屋さんがいるそうですが、

あまりハサミには関係ない要素ですね(笑)

永切れする

鋼材としては、すり減りにくいです。

永切れしやすいです。

ただ、ハサミの良し悪しとしては、

・鋼材
・つくり
・刃付け

のバランスで決まります。

刃付けをしにくい

「すごい長切れするから、いいよ」

って言われて買ったんですが、

すぐ切れなくなります。

ということがあります。

これは、刃付けがしにくいからです。

鋭すぎる刃付けをすると、

はじめはよく切れますが、

すぐ切れなくなります。

切れるけど、シャキッとしない、、、みたいな感じです。

なぜ刃先が切れなくなるか?

刃先

まずは、刃先の説明から。

と言っても、

「常識っしょ!」

という声が聞こえてきそうです。

刃の先端。

先っちょです。

または、ハサミの刃のネジから遠いところです。

刃先の特徴として、

1.刃元に比べて、繊細に切れる。
2.刃元に比べて、よく切れない
3.刃先に行くほど、毛が切るときすべりにくい。

ということがあります。

なぜ、刃元に比べて、刃先が切れなくなるのが早いのでしょう?

「刃先を良く使うので、刃先が良く切れなくなる。」

と言う話があります。

やはり使う立場の方からすれば、

「良く使う=消耗が激しい」ということになるかと思います。

確かにそういった一面もあります。

例えば、

刃先がよく切れないというハサミでは、

刃先に小さな刃こぼれがあることが多いです。

何かの拍子で、

刃こぼれをさせてしまったのだと思います。

例えば、

・コームをかんだ!

・シザーケースで隣のハサミにぶつけた!

・開いたまま台に置いた!

・硬いホコリやゴミのついた毛を切った

などです。

逆に、

とてもキレイにつかったとします。

ハサミの構造を考えたとき、

同じようにダメージを受ければ、

刃元や刃中より、

刃先が切れないのです。

刃先のほうが力が伝わりにくいからです。

「てこの原理」です。

鋼材の話(スーパーゴールド鋼)

スーパーゴールド

「スーパーゴールド」という鋼があります。

これは武生特殊鋼という会社の製品です。

HPによると、

「刃物の四大条件を網羅した超々高級刃物鋼」です。

これは、粉末鋼系です。

素人にはわからない、特殊な技術が詰まっていそうです。

ハサミを研ぐ人としてみると、

硬すぎて、なかなか普通の砥石に乗りません。(削れない)

たぶん、理美容ハサミの専門にやっているところ以外は、研げないということで、断られるような硬さです。

ダイヤモンド砥石で研ぐので問題無いですが、

普通の砥石だとほぼ不可能かと思います。

大事に丁寧に使えば、かなり永切れするのではないでしょうか。

切った感じも、毛に負けること無く、どんどん進む感じが好きです。

鋼材の話(超微粒子粉末鋼)

粉末

超微粒子鋼とか、

粉末鋼とか、

英語だと、マイクロパウダーですかね。

粉を集めた鋼ってことです。

詳しくはわかりませんが、調べてみると、

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細かい鉄粉を型に入れて、圧力を加え、押し固め、加熱してつくります。

これを「フンマツヤキン」と呼ぶそうです。

漢字では「粉末冶金」と書きます。粉末のチキンでなく、ヤキンです。

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ポイントは、鉄粉と一緒に炭素や銅・ニッケル・モリブデン・マンガン、コバルトとかを混ぜあわせるのです。

それぞれの分量で、硬いものとか柔らかいものとか、いろいろな鉄の特徴を作ります。

理美容のハサミの鋼であれば、

・硬さ

・粘り

があるといいですね。

「超高級用刃物用の鋼」ということです。

理美容のハサミも、この超高級刃物です。

研いで思うことは、

このハサミは、とても硬いので研ぎにくいです。

なかなか削れません。その分摩耗性が高いということで、永切れするというメリットがあります。

実際、永切れします。

もちろん、落としたら、どんな材料でもすぐ切れなくなります。

研ぎ専門店からすると、ちょっとした商売妨害の鋼です(笑)

ドライカット用のハサミの注意点

ドライカット

ドライカットは、乾いた毛のカットのことではありません!!

重要なので、くりかえします。

ハサミ選びで、ドライカットは乾いた毛をきることではありません。

ハサミ選びでは、ドライカット=ストロークカットとスライドカットです。

ハサミの世界で言うと、

ストローク・スライドなどハサミを動かす使い方と、

ブラントなどでハサミを動かさない使い方と、

刃付けを替えます。

(もしかしたら、替えないところもあるかもしれませんが、

 引っかかりが少なく、変えた方が使いやすいです)

では、乾いた毛をブラントで切るときは、なにかっと何だ?

ハサミ選びの正解で言えば、ブラントです。

このときハサミに求められるのは、

 ・毛が逃げない。

です。それで優しく切れて、永切れしてくれるとよりいいです。

では、濡れた毛をスライドさせて切るカットは?

ハサミの世界であれば、スライドカットです。

このとき、ハサミに求められるのは、

 ・ひっかからない。食いつきが少ない。

です。どちらかというと、ブラントの反対です。

ちょっと複雑だと感じるかもしれませんが、

優秀なハサミ屋さんを見つけて、使い方など相談に乗ってもらうといいですね。

ハサミの寿命について

「ハサミに寿命はありますか?」

意外とよく聞かれる質問です。

シンプルな質問ですが、だからこそ奥が深い、、、すごく深い質問だと思います。

□シンプルな回答

寿命はあります。

悪いハサミほど、早く寿命がきます。

□複雑な回答

複雑バージョンの回答です。

ハサミの寿命はないです。

昔のハサミはありました。

あなたが生まれる前くらいのハサミです。

50年前のハサミは、ハガネと軟鉄と貼りあわせて作られていました。

着鋼」という技術ですね。

このハサミは、研ぎ込むとハガネがなくなります。

この時が寿命でした。

しかし、今のハサミは、刃全てがハガネです。

どんなに小さくなろうと、ハガネなので、切れます。

なので、寿命はないです。

□より複雑な回答

さらに複雑バージョンの回答です。。

このHPを見てしまうような、

とても勉強熱心なアナタ向けにお伝えします。

または、

おしりをかきながら、

ビールを片手に、たばこを吸っているアナタも大丈夫です(笑)

(そうでないかたは、読むと分けわかんないので、読まないで下さい。)

ハサミの寿命があるか?という質問ですが、

プロの理美容師さんのレベルというと、

複雑で、いろいろ確認しながらすすめる必要があります。

まず、

プロレベルの

切れる切れないの確認です。

プロのハサミが

切れないというのは、

よく切れないので、「仕事にならない・・・」という意味ですよね!

毛が折れてしまって全く切れない・・・ということでなくて、

無理すれば、切れる・・・くらいですよね。

で。

このプロレベルでみたとき、

寿命はあります。

通常、研ぎに出すと、切れ味は100%復活するものです。

(まあ、

 中には100%でなくて、

 200%よくなったり、

 50%だったりあるかもしれませんが、、)

はじめ100%復活していたのが、

研ぎ込むと、100%でなくて、80%くらいになります。

80%くらいだと、我慢できると思います。

更に

研ぎ込むと・・

切れなくなる時期が早くなります。

例えば、

新品に近い頃の場合。

はじめ・・・切れるハサミは、やっぱり仕事が早くていいなあぁ。

2週間後・・・オオタさん、いい仕事してくれたね。ビンビンきてるよ!

1か月後・・・絶好調でないけど、まあこんなかんじだろう・・・

2ヶ月後・・・まあまあ・・・

3ヶ月後・・・まあ

4ヶ月後・・・違う、、、切れるけど違う、、、

6ヶ月後・・・早く研ぎたいなあ・・・研ぎたいけど粘るか・・・

寿命間近になったときの場合

はじめ・・・切れるハサミは、カットがうまくなった気がして、サイコー

2週間後・・・オオタさん、相変わらずいいね。

1か月後・・・まあ、使えば切れなくなってくるよね

2ヶ月後・・・ハガネが、弱くなってきているのかなぁ・・・

3ヶ月後・・・あれぇ!!? もう終わり?

ポイントは、ハガネが弱くなってきているのかも?と感じるところです。

実際は、

ハガネが弱くなってきているというよりは、

ハサミの作りがヘタっているイメージです。

んー。わかりにくいですね。

例えば、

自転車でも長い間使っていると、

サビがでて動きが弱くなったり、

タイヤが減ってきたり・・・そういういったイメージです。

専門的に言えば、裏刃が広がっていてウラスキが浅くなっている状態です。

この状態だと、開閉が重くなったりしています。

対策は、オーバーホールです。

ハサミのオーバーホールみたいなことをすると、新品レベルに復活します。

「じゃあ。

研ぎ込んで、

針みたいに細くなっていても、

復活するんだな?」

って、

言っちゃうアナターーーーーーーーー!!

はさみとして使うより、

小さな穴を明けて、

針として使いましょう(笑)

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