鋼材の話(着鋼)
2016.10.3 12:51
ちょっと雰囲気のある写真ですが、
恋の話、、、
ではなく、、
夜の営み、、、
ではなく、
ハサミの話です。(笑)
鋼材の話です。
昔、着鋼という鋼材がありました。
チャッコウって言います。
愛し合う男子と女子は、
自分にないものを求めて、
重なり合います。
↑↑↑↑↑少し哲学風。
愛し合う鋼材も、
自分にないものを求めて、
重なり合うんです!!!
さてさて、愛の話はおいておいて(笑)
まじめに行きます。
着鋼は、
柔らかい鉄と硬い鉄をくっつけています。
なぜ、
そうするかというと、
そのほうがいいことが多かったからです。
硬い鋼は、切るのに適しています。
柔らかい鉄は、加工しやすいです。
また、竹のようなしなりがあるので、良い点です。
単に硬いだけだと、折れやすいというデメリットを補ってくれます。
この硬い鋼と柔らかい鉄をくっつけた鋼がありました。
(最近は、ほとんど見ないです)
これを使ったハサミを着鋼のハサミと言います。
このくっつけるというのは、
日本刀の技術、、、
(もしかしたら、日本の包丁の技術、といったほうが正確かもれません。)
です。
昔のハサミです。
江戸時代から、明治時代になって、
ちょんまげを切ったのも着鋼のハサミだったと思います。
さて、着鋼のハサミの特徴は、
□錆びやすい。
かなり錆びやすかったようで、
油のつけものみたいにして保管していた人もいたようです。
□よくきれる。
研ぎたてなどは、スゴくよく切れれたという話を聞きます。
(私の印象としては、当時のハサミは8インチとか9インチとの大きいハサミで、その重みの勢いでよく切れると感じたんだと思っています。)
□すぐ切れなくなる。
営業終了後は、毎日、明日のためにハサミ研ぎです。
理容の新入社員は、日中は床掃除で、営業終了後はハサミ研ぎだったようです。
今、自分で研ぐ理美容師さんはほとんどいませんが、
昔の理容師さんは、すぐ切れなくなるので、ハサミも研いでいました。
ちなみに、当時、美容師さんは、ハサミは使わず、カミソリを使っていました。
ってことで、愛し合う男女の話でした(笑)