毛が折れる原因は、荒れている 刃こぼれがある 刃が鋭くない。丸い。 ネジがゆるい・・・・
2022.7.28 16:32
こんにちは。オオタです。
マリンアクティビティを楽しんできました。
マリンと言っても海ではなく、琵琶湖です。
塩水じゃないから、水に落ちてもしょっぱくないし、べとべとしないのはいいです。
さて、
今回の日記はロングバージョンです。
あるお客様から、毛を挟むようにして切れないというハサミを研がさせて頂きました。
毛を挟むように切れないという症状と毛が逃げるという症状も、基本的にはそれほど変わらないです。
で、こんなものをつくりました(昔&未発表)
そして、ちょうどそのファイルが見たので、発表です!
簡単に説明すると、
鋏の状態が悪ければ、研げばいいです。
性質や造りに問題があれば、研いでも直りません。
改造できるなら、した方がいいです。
使い方も関係します。教科書とおりの使い方をすれば大丈夫です。
でも、プロの先生(あなたのことですよ!部下とか、社員とかいるんでしょ!)
僕の立場で「使い方が上手ではないですね!」とは、なかなか言いにくいです。
正直に「あなたの使い方が悪いから、切れないんですよ」と言ったら、「何にも知らないハサミ屋が、経験もキャリアも積んできた俺様に何を言いうんだ!」って怒っちゃうでしょ。
そうです。
経営者のアナタには、本当のことを言いにくいんです!(怒らせたくないからね)
さてさて、
話は変わります。
切れないハサミには上記の通りいろいろな原因があります。
ただ単に刃を鋭くすれば切れるようになる・・・
それは包丁だけで、ハサミはいろんな要素があるので全然違います。
特に理美容のハサミは、繊細で切れ味をすごく求められるものです。
で、
今回、いろいろと研ぎを出しても、上手く行かないというお客様へ、オオタ君が、お手紙を書きました。
実はメーカーに何度かやってもらって、それでもだめで、最悪捨ててもいいなあという思いで、オオタに依頼がきました。2丁。
1丁は素晴らしく良かったそうです。
もう一丁は、切れなくなるのが早かったそうです。
(それでも、期待できそうだと思った)とは言われていませんが、そのように感じで、お手紙を書かさせて頂きました。
抜粋するのでみてやってください。
———–お手紙————-
日向坂46美容室
キャプテン佐々木久美様
実は息子の付き添いでFESに行ってきたんです。
こんにちは
LINEでは過分なお褒めの言葉をいただきまして、ありがとうございます。
今回のハサミについて、気が付いたことをご報告させていただきます。
Nシザー 6インチオフセット
「毛が折れて挟む」を確認、、、と申し上げたいところですが、確認できませんでした。
よく切れなくて、毛が折れて挟むようになるとのことでした。
ですが、
それでは、お話にならないので、
いろいろと試行錯誤して、「毛が折れて挟む」ことが確認できました。
試行錯誤というのは、いろんな切り方を試します。
例えば、押し切りをします。弱く押したり、強く押したり、ものすごく押したり、引いたりもします。縦切りだったり、横切りだったり・・いろいろです。
原因は、ネジのゆるみ、刃の荒れ、押切のくせと推測致します。
つまり3つの原因が考えられるということです。
ネジのゆるみ
一般的には、それほど緩くはありませんでしたが、このはさみにとっては、緩かったです。
このはさみというのがポイントです。ハサミによって個性があります。
板バネ(パネル)のアソビもあるので、ネジはきつ過ぎるくらいがいいです。
メーカーから説明があったと思いますが、
馴染むとゆるくなるハサミなので、マメに締めてあげてください。
締めすぎでも、ベアリングが効くので、きつくなりにくいです。
ちょっと特殊な構造のハサミなので、こういう説明がないと使いこなせないです。もしかしたら、説明がないということがあるかもしれませんが、わかりませんね。
ハサミのとっては、ネジはきつめがいいです。
きつ過ぎて使いにくいということでしたら、“できるだけきつめ”がいいです。
↑これハサミ全般に言えることです。
刃の荒れ
一般的にハサミは刃が荒れると切れなくなります。
手荒れみたいなものです。ハサミの刃もかさかさしているとよく切れないです。
セームでひねるように拭くと荒れにくくなります。
これについてもメーカーから説明があったと思いますが、このはさみには効果的です。
ハサミにとっては、一人カットし終わったら拭いてもらうのがいいです。
現実的には、毎日営業終了後に拭いてあげてください。
押切のくせ
普通のハサミは押切のクセがハサミに、はっきりとキズとして出てきますが、このハサミは特殊な構造なので、わかりにくいです。
実は本当は片減りしていたので、あやしいかも、と思っていました。でもわかりにくいです。
もしかしたら、親指をこねるような動きのくせがあるかもしれません。
その場合、刃が荒れやすいので切れなくなるのが早かったり、刃と刃がケンカして閉じなくなってしまったりしやすいです。
ハサミにとっては、どんなときでも教科書通りまったく押切しないのがいいです。
とはいっても、なかなか難しいので、現実問題仕方がないのかもしれません。
切れなくなったら、研げばいいと割り切っている方もいらっしゃいます。
以上です。
テレビの天気予報で、暑さは今の時期がピークと言っていました。
室内外の気温差に体調を崩されませんよう、お体ご自愛ください。
京都はさみ職人
オオタトシカズ