はさみに寿命?はありますか?
(質問)
「はさみに寿命?はありますか?
研ぎを繰り返すことによりこれ以上無理という限界はありますか?
いつでもいいので教えて下さい、お願いします!!」
(回答)
素晴らしいお気遣い、ありがとうございます。
さすが、優秀な美容師さんはお客様以外にも気遣いをされるんですね。
見習わさせて頂くことが多いです。
さて
さて。
これはシンプルで、
深イイ質問なので、
3パターンの回答を用意しました。
1.シンプルな回答
シンプルな回答
寿命はあります。
悪いハサミほど、早く寿命がきます。
そして、良いハサミほど、長持ちしますね。
2.複雑な回答
ないです。
(1.で寿命があるって言ったじゃないか!)
実は、
昔のハサミはありました。
あなたが生まれる前のハサミです。
50年前のハサミは、ハガネと軟鉄と貼りあわせて作られていました。
「着鋼」という技術ですね。
このハサミは、研ぎ込むとハガネがなくなります。
この時が寿命でした。
しかし、今のハサミは、刃全てがハガネです。
どんなに小さくなろうと、ハガネなので、切れます。
なので、寿命はないです。
3.より複雑な回答
このHPを見てしまうような、
とても(クレージーで)勉強熱心なアナタ向けにお伝えします。
または、
おしりをかきながら、
ビールを片手に、
たばこを吸っているアナタも大丈夫です(笑)
そうでないかたは、
読むと分けわかんないので、
読まないほうがいいです(笑)
プロの理美容師さんのレベルというと、実はもっと複雑です。
ポイントはプロレベルということです。
まず、
プロレベルの切れる切れないの確認です。
ハサミが切れないというのは、
よく切れないので
仕事にならない・・・という意味ですよね!
毛が折れてしまって全く切れない・・・ということでなくて、
無理すれば、切れる・・・くらいですよね。
で。
このプロレベルでみたとき、
寿命はあります。
通常、
研ぎに出すと、
切れ味は100%復活するものです。
(まあ、中には100%でなくて、200%よくなったり、50%だったりあるかもしれませんが、、)
さらに
10回とか
20回とか、
研ぎ込むと、
100%でなくて、80%くらいになります。
恐らく
80%くらいだとある程度、我慢できると思います。
更に・・・
研ぎ込むと・・
60%くらいになります。
すると、
切れなくなる時期が早くなります。
例えば、
——————————–
新品に近い頃の場合。
——————————–
はじめ・・・切れるハサミは、やっぱり仕事が早くていいなあぁ。
2週間後・・・オオタさん、いい仕事してくれたね。ビンビンきてるよ!
1か月後・・・絶好調でないけど、まあこんなかんじだろう・・・
2ヶ月後・・・まあまあ・・・
3ヶ月後・・・まあ
4ヶ月後・・・違う、、、切れるけど違う、、、
6ヶ月後・・・早く研ぎたいなあ・・・研ぎたいけど粘るか・・・
——————————–
——————————–
寿命間近の場合
——————————–
寿命間近になったときの場合
はじめ・・・切れるハサミは、カットがうまくなった気がして、サイコー
2週間後・・・オオタさん、相変わらずいいね。
1ヶ月後・・・まあ、使えば切れなくなってくるよね
2ヶ月後・・・ハガネが、弱くなってきているのかなぁ・・・
3ヶ月後・・・あれぇ!!? もう終わり?
ポイントは、ハガネが弱くなってきているのかも?と感じるところです。
実際は、
ハガネが弱くなってきているというよりは、ハサミの作りがヘタっているイメージです。
んー。わかりにくいですね。
この辺は、
切る毛質
ハサミの使い方
使っている人の感性などによって大きく変わりますね。
(実際ノコギリみたいな状態で、普通に使っている人もいますから)
例えば、
自転車の場合、
サビがでて動きが弱くなったり、
タイヤが減ってきたり・・・そういういったイメージです。
ハサミ屋として専門的に言えば、
裏刃が広がっていてウラスキが浅くなっている状態です。
この状態だと、開閉が重くなったりしています。
対策は、オーバーホールです。
ハサミのオーバーホールみたいなことをすると、新品レベルに復活します。
「じゃあ。
研ぎ込んで、
針みたいに細くなっていても、
復活するんだな?」
って、言っちゃうアナターーーーーーーーー!!
はさみとして使うより、
小さな穴をあけて、針として使いましょう(笑)