裏スキ(うらすき・裏漉き)
さてさて、
清水さんがわかりやすい図を作ってくださりました。
ありがとうございます。
この凹みの部分を裏スキと呼んでいます。
これは、削ってつくります。
どうやって削るかというと、
グラインダーという機械で削ります。
で・・・
職人さんが手に持ってグラインダーを使って削るパターンと
職人いらずの機械が削るパターンがあります。
NC工作機という、マイクロコンピューターがたくさん使われている高価なヤツです。
最近は機械で作ることが多いです。
あの有名メーカーのハサミも機械です。
どんなのがいいかと言うと、
この上の図のような形が理想的です。
それは、刃線に沿うように、ヒネるように抜けているのがいい形です。
でもね・・・
日本のハサミはどれも精度がいいです。
(海外のものは、問題があるハサミも多いです)
なので、ぶっちゃけ、普通の人が見ても、よくわかりませーん。
さて。
裏スキの良いハサミは、素晴らしいです!
何が素晴らしいかと言うと
1.力強さがある。
2.開閉のしやすい。
3.長切れもする。
このバランスがいいです。
更に長ーい目で見て、どんな目かというと、オリンピック的な目です。
4年おきとかで見たとき、人間の老化みたいなことが少ないです。
いつまでもピチピチでいることができます。
しかし、こういった理想に近いものは、だいたい2~3%くらいです。
この2~3%は
機械+職人さんの手直しとか、微調整を入れているような感じです。
機械だと、それなりに精度よく作れますが、それなりです。
でも、どんどん技術は進歩しているので、よりいい感じになっていくんでしょうね。
じゃあ。やっぱ、人間だよねぇ~。
まあ、そうなんですが、人間の場合、下手くそだと機械以下です。
上手な職人さんは少ないです。
では、具体例を見て行きましょう。
まず、いい例ですね。
次に、悪い例ですが、
波打っています。
これは、下手くそな人間が「研ぎと一緒にサービスでやってやるよ!」のパターンです。
刃中から刃先に力が伝わりにくく、切れないです。
「壊された!」というクレームになっているかもしれないようなレベルです。
つづいて、
これもヨロヨロですね。
つづいて、・・・一時期よく見たパターンです。
途中まで良かったのですが、後半ネバれませんでした(笑)
実際は、最後の最後でダメなパターンです。
この場合、「刃先がきれない」という状態です。
また、2,3回研ぐと「刃先が切れなくなる」という現象です。
これは研ぎが上手い下手ということもあるのかもしれませんが、そもそも何度か研ぐと刃先が切れ味の復活が甘くなるというパターンです。
非常に多いです。
つづいて、
まっすぐで一見良さそうなパターンです。
本来、ヒネるような線がベストですが、直線すぎです。
始めはそこそこ切れますが、切れなくなるのが早いです。
刃先が切れなくなります。
高級価格のあのメーカーとあのメーカーの安物と中国製に多く見られます。
ハサミの性能ですが、この裏スキで左右します。
しかし、
これだけで決まるというわけではありません。
鋼の良し悪し、刃の付け方などでも変わります。
それぞれのバランスで性能は決まります。